新規または退去による再募集のとき、いったい募集賃料をいくらにすればよいのか、お悩みのケースもあると思います。
周辺相場を知るために、近隣の賃料などを参考にしますよね。
この際、ビル毎に貸室の大きさはまちまちですから、坪単価を目安にすることが多いです。
例えば、賃貸募集をする貸室が10坪で、周辺の事務所が坪当たり2万円だったとします。
周辺相場にあわせて、月20万円で募集賃料を設定し、最初は少し高めで月22万円(坪単価2.2万円)で募集開始して、月20万円までは値下げ交渉に応じるつもりで募集を続けたり、逆に近隣に空室が多いので、相場より安めの月18万円(坪単価1.8万円)で募集開始して、早期入居を目指そうという方が多いのではないでしょうか。
しかし、この坪単価にとらわれすぎるのも考えようです。
貸室を探す方々は、賃料のご予算を総額で設定しているケースが多く、坪単価は目安でしかありません。
また、貸室の広さについても希望条件はあるものの、その貸室でレイアウトなどが収まるのであれば、当初希望の条件よりも狭くても、その貸室に決めるケースも多いのです。
事務所を例にお話ししましたが、これが店舗となると、この傾向がより顕著になります。
JR線「神田」駅の駅前にあるビルでの例です。
そのビルは狭小で、貸室面積が8坪しかありません。
築年数も古く、駅距離が近いとはいえ、近隣相場から見て、坪単価は3万円です。
そうすると、24万円の賃料設定になります。
しかし、実際には、33万円で全フロアを貸し出しています。
坪単価4万円以上です。
業種は、いずれもバーですが、8坪しかなくても、営業上、十分収益が取れる座席数がとれ、採算が合う賃料であれば、借りたいというお客様はたくさんいるのです。
ですから、賃料設定の際は、坪単価にとらわれすぎず、物件毎の特性を考え、総額いくらまでであれば借り手がいそうかと考えて設定をすることをおすすめします。